コラム

転職するときに住民税はかかるの?手続き方法など、知っておくべき全知識

会社員は所得税や住民税、社会保険料などが給料から天引きされています。

自分で直接、納付することがないので忘れがちですが、転職のときは住民税を自分で納付しなければなりません

この、「自分で住民税を納めなければいけない」ということを知らず、困る方はとても多いんです。

ただ、「住民税の手続きについて、結局私はどうすれば良いの?」

転職時に、こう不安に思っている方は多いですよね。

そこで今回は、転職する方が事前にできる住民税に関する準備と、住民税の申告についてまとめてみました

ぜひ参考にしてくださいね。

そもそも住民税の仕組みとは

そもそも住民税とは、都道府県民税や市区町村税の総称です。

納付した住民税は自治体によって、警察、医療、学校教育、道路整備など、地域住民が安心して暮らせるための行政サービスとして利用されています

住民税は自治体に納めるものですが、ここで押さえておきたいポイントは、住民税の支払いのタイミングについてです。

事業主の方などは年4回、納付書を持って指定の納付場所へ支払い、会社員の方は毎月給料から天引きされています

ただ、住民税は今現在の収入に対してかかっているものではなく、前年の1月1日〜12月31日までの確定した収入に対して、税金を計算し、翌年の6月から毎月支払うものなんです

つまり、社会人一年目の方は、二年目の6月から住民税の支払いが始まります。

また、前年の収入が500万円で今年が400万円の場合、500万円に対しての税率で住民税を支払うことになるので、「収入に対して住民税が高くなった…」なんてことも

また、1月1日時点での住民票所在地に対して支払うものなので、引っ越してもすぐに納付先が変わったりすることはなく、引っ越し先の自治体へ住民税を納めるのは翌年の6月からということになります

転職するときに住民税を納付する2つの種類を解説

住民税の納付方法は、自分で納付する「普通徴収」と、給料から天引きされる「特別徴収」の2種類あります。

(1)普通徴収

普通徴収は、住民税を直接自分で納付する方法のこと

住民票のある自治体から自宅に納付書が届き、それを持って金融機関やコンビニなどの納付場所で支払うことになります。

6月・8月・10月・翌年1月の4回に分けて納めるか、6月末に一括払いする方法の2種類を選択できますよ

(2)特別徴収

特別徴収は、勤めている企業が、代わりに住民税を納めてくれる制度のことです

毎月の給料から天引きされる方法で、会社が代わりに納付してくれます。

会社員の方は、ほとんどがこちらの特別徴収です。

事業主の方は「普通徴収」ですが、ほとんどの方は給料から天引きされる「特別徴収」によって納めていますよね。

ですが、転職する際には、ほとんどの方が自分で住民税を納めないといけない「普通徴収」になってしまうんです

そこで次に、どういう場合に「普通徴収」になり、どういう場合に「特別徴収」になるのか後ほど詳しく解説していきますね。

転職する月によって異なる住民税の納付方法

先ほど解説した通り、住民税は前年の収入に対する税金を翌年の6月から支払っていくものです。

なので、転職した後、最初に給料から天引きされるのは翌年の6月からなんです

「じゃあ、翌年の6月まで天引きされる予定だった住民税はどうなるの?」と思いますよね。

実は、転職する月によっては、その期間の住民税を一括徴収されたりしてしまいます

最後の給料が住民税でかなり少なくなり、困ったなんてこともよくありますので順番に解説して行きますね。

(1)1月1日〜5月31日に退職した場合

原則として、退職する月から、5月まで支払うはずだった住民税を最後の給料天引きで一括徴収されます

こちらは退職月から5月までの住民税が一括徴収されますので、2月退職であれば、3,4,5月分が一括で天引きされてしまいます。

5月以降も、翌年の6月までは普通徴収となり、6月〜翌年1月分は自分で納付しなければなりません

しかし、事前に会社に申し出れば、5月までの一括徴収も普通徴収にしてもらうことや、特別徴収の引継ぎの手続きができます。

なので、会社に申し出ておくと、一括徴収やその後の普通徴収もなく、転職後もそのまま毎月の給料からの天引きにすることができますよ

(2)6月1日〜12月31日の間に退職した場合

原則として、退職する月以降の支払いは、普通徴収となります

ですので、自治体から本人の手元に納付書が届き、それを持って指定の納付場所コンビニなどで支払うことになります。

しかし、こちらも転職前に特別徴収を引継ぐための手続きをすれば、引き続き給料天引きにすることができるので、後ほど特別徴収を引き継ぐ手続きに関して解説をしていきますね。

ここまで、住民税に関する解説や、転職時の住民税の納付方法に関する説明をしてきました。

何もしなければ一括徴収されたり、自分で納付したり、何かと大変ですよね。

ただ、転職前に特別徴収をすると、転職後に住民税に悩まされることがありません

そこで次は、実際に転職時に必要な手続きについて解説していきますね。

転職時にすべき住民税に関する2つの手続き

ここまで、何もしなければ、翌年の6月までは自動的に普通徴収になってしまうことを解説してきました。

初めての転職する方のほとんどは、この知らずに転職してしまい転職後に慌ててしまいます。

ここでは転職後に困らないよう、転職前に行なっておくと良い手続きをわかりやすく解説していきますね

手続き1.特別徴収の引継ぎをしてほしい旨を伝える

まず、特別徴収希望の方は、転職時期にかかわらず、在職中の企業に、転職先でも特別徴収を行いたい旨を伝えましょう

この特別徴収の引継ぎに関する手続きは、申し出をすれば必ずしてもらえるものなので、退職する会社に遠慮なく申し出ましょう。

手続き2.「給与所得者異動届出書」を記入してもらおう!

実際に、特別徴収を引継ぐために必要なのが「給与所得者異動届出書」という届出書です。

こちらは、本人が各項目はなく、退職する企業と転職先の企業が記入する書類になります。

こちらは退職する企業が記入したものを、退職する企業から転職先へ送付してもらい、転職先が記入後に自治体へ提出するものです

もし転職先がバレたくない方などは、退職する企業が書いた書類を受け取り、自分で転職先に渡しましょう。

しかし、引き継ぎには2ヶ月程度かかりますので、手続きが遅くなった場合、その間は普通徴収となります。

転職後、特別徴収にした方が良いことに気づき、変更希望の方は、会社に特別徴収を引き継いでほしい旨を伝えましょう

ただし、自分で転職前の企業に連絡をとったり、転職先の企業に前の企業に連絡をとってもらったりなど、手続きが面倒で時間がかかってしまう場合があります。

ですが、こちらの申出は希望すれば必ずしてもらえるものですので、遠慮なくしてほしい旨を伝えましょう。

特別徴収を引き継ぐには、前職と現職に企業どちらでも手続きが必要になりますので、転職が確定したらなるべく早く伝えるようにしましょう

しかし、転職時の住民税に関して、他にも多くのトラブルがあります。

転職時の住民税に関するよくあるトラブル3つ

次は、そんな転職時の住民税に関するよくあるトラブルについて解説していきますね。

ケース1.納付書が届かない

何も手続きしていないので普通徴収になっているはずが、納付書が届かない!なんてことがあります

納付書は、年4回(6月、8月、10月、翌年1月)ですので、時期が違えばもちろん納付書は届きません。

納付書が届く月でも届かない!なんて場合は、昨年の1月1日時点で住民票のあった地方自治体に連絡してみましょう

ケース2.自分で確定申告しなければいけない

12月までに退職し、1月以降に転職した方などで年末調整を行えていない方は、自分で確定申告しなければなりません

また、前職の源泉徴収票を失くしてしまって、転職先で年末調整が行えない場合は、自分で確定申告をしなければいけません。

転職先の収入のみで年末調整した場合、前職の収入がなかったという申告になってしまい、脱税になってしまいますので気をつけましょう

ケース3.前職の年収がバレる

転職の際に給与の交渉などで、前職の給料を少し高めに伝えしてしまい転職後に源泉徴収票を提出したら、前職の年収がバレてしまいトラブルになってしまったケースなども…

そのため、転職時は嘘をつかないようにしましょう。

まとめ

ここまで転職時の住民税に関する注意点や手続きなどの説明でしたが、いかがでしたでしょうか?

  1. 1月1日から5月31日に転職すると住民税が一括徴収される場合がある
  2. 何も手続きしなければ翌年6月まで普通徴収になってしまう
  3. 手続きをすれば転職後も天引きを引継ぐことができる

転職時の住民税に関して、上記の3点は必ず把握しておきましょう!

みなさん原則として転職後、翌年の6月までは自分で納付する必要がありますが、特別徴収を引き継いでもらうと転職後に住民税を納めるのが楽になるので、遠慮なく会社に伝えて引継ぎしてもらいましょう!

転職する際に一時的に働いていない期間ができる場合などは、その期間普通徴収になってしまいますので、気をつけましょう。

最後に、その他よくある転職時の住民税に関するQ&Aをまとめておきましたので、是非チェックしてみてください!

よくあるQ&A

Q1.転職後の年末調整はどうすればいいの?

A.転職時の年末調整は、年の途中時点までの源泉徴収票を前職からもらい、転職先企業に提出して年末調整を行いましょう。

12月などに転職する場合、できれば年末調整をしてから転職することをお勧めします。

年末調整ができていないと、自分で確定申告をしなければいけなかったりとなにかと面倒です。

Q2.前職の源泉徴収票がなかったどうなるの?

A.源泉徴収のないまま年末調整をすれば、前職での収入がないことになってしまいますので、脱税になりますので注意が必要です。

ですので、転職先で年末調整を行う際に、前職に連絡して必ず源泉徴収票をもらいましょう。

失くしてしまった場合も再度連絡して発行してもらいましょう。

どうしても貰うことができない場合、転職先の源泉徴収票が発行されたら、それを持って、前職の所得も合わせて確定申告をすれば大丈夫です。

Q3.新卒一年目で転職した場合の住民税はどうなるの?

A.住民税は前年の収入に対して翌年の6月から納付するものなので、新卒一年目は住民税を納付することはありません。

なので、社会人一年目の方が住民税を納めることはなく、社会人2年目の6月から毎月住民税を納付していくことになります。

Q4.納付書が届かないのですがどうすれば良いですか?

A.一度住民票のある自治体に問い合わせてみましょう。

住民税の納付書は年4回ですので(6月、8月、10月、翌年1月)届かない月もあります。

1月1日〜5月31日に転職した方などは、最初に納付書が届くのが6月でかなり期間があります。

Q5.確定申告が必要な場合はあるの?

A.前職で年末調整をせずに退職してしまい、転職先でも年末調整を行わなかった場合は確定申告が必要です。

また、前職の源泉徴収票がない場合なども確定申告が必要です。

Q6.転職後に引っ越した場合は?

A.転職時に引っ越しが伴った場合でも、住民税に関して何も手続きする必要はありません。

住民税は去年の1月1日時点で住民票のある地域に納める税金ですので、引っ越し後も給与から天引きされた住民税を企業が納めてくれます。

引っ越した際に必要な「転出届・転入届」は住民税と関係なく必要なものなので、そちらはきちんと提出しておきましょう。

特別徴収の場合は会社が翌年から引っ越し先の自治体へ住民税を納付してくれます。

普通徴収の場合は翌年6月から転入先の自治体から納付書が届くことになります。

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